ARITA PLUS

建物は、その土地の文化を静かに伝えることができます。
この場所は、使われなくなった古民家の倉庫を、シェアオフィスとして再生したプロジェクトです。
目指したのは、働くための場所をつくることだけではありません。
この場所を訪れる人が、有田という土地のものづくりを自然と感じられる空間をつくりたいと考えました。
既存の倉庫が持つ大きな広がりを活かしながら、中央には自由に使えるオープンスペースを設け、その両側に四つのオフィスを配置しています。
開かれた場所と集中できる場所がゆるやかにつながることで、人が集い、それぞれの時間を心地よく過ごせる空間を目指しました。
広がりのある空間の中に、一つだけ密度の異なる場所があります。
有田焼のタイルで包まれた、小さな会議室です。
扉も同じタイルで仕上げ、壁と一体となるよう納めることで、その存在をできるだけ静かにしています。
人は壁に触れ、扉に気付き、そっと開けて中へ入っていきます。
有田焼を見るのではなく、触れること。
そして、その素材に導かれるように空間へ入っていくこと。
その一連の行為そのものが、有田焼を体験する時間になると考えました。
ものづくりの魅力は、見ることだけではなく、触れ、過ごすことで少しずつ感じられるものだと考えました。
素材に触れ、空間を歩き、時間を過ごす。
その何気ない体験の積み重ねが、この土地のものづくりを静かに伝えていきます。

DATA

所在地
佐賀県西松浦郡有田町
竣 工
2020.7
用 途
事務所
建築タイプ
リノベーション
構 造
木造
延床面積
63㎡

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